墓参りに行きたい
80歳代女性／要介護1／車いす使用・半身麻痺／特養
【相談内容】
お墓参りに行きたい。
【相談員の対応】
家族の様子や子どもの頃の話などを聞く。その後、施設に相談者の要望を伝える。
【施設の対応】
入所者一人ひとりのそのような要望に対応できない。家族に連れて行ってもらうしかないとのこと。
【改善状況】
ときどき外出の機会をつくってもらうよう施設側に依頼はしたが、あまりよい返事は返ってこなかった。
【相談員の感想】
家族の様子を聞いたりすると、いっそう「墓参りに行きたい」という気持ちを募らせるのではと心配したが、この相談者の場合はそれがよかったようだ。最後には「すっきりした」という言葉を聞けた。傾聴の大事さに気づかされた。
解説・ポイント
相談員は利用者の話をよく聞き、よい対応をしている。
相談員の感想に「傾聴の大事さに気づかれた」とあるが、この相談員が利用者から家族の様子や子どもの話を聞いたことは、利用者がなぜ墓参りに行きたいのか、その理由や背景にあるものを探ろうとして話を聴くことを指す。
本来、相談員が行うべき「傾聴」と傾聴ボランティアとは異なるものであることに注意してほしい。