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介護サービス相談・地域づくり連絡会

お茶の1杯でも差し上げてはいかが?

お茶の1杯でも差し上げてはいかが?
相談員の観察(気づき)

【相談内容】

遠いところからわざわざ親族が訪ね来所(5名で)にもかかわらず、職員さんの対応が今ひとつ、人手不足の故かもと…
かつて利用者本人よりここは「差別をするけん大嫌い」と吐き捨てた言葉が強く残っていた。

【相談員の対応】

こちらから職員さんに「家族さんに『粗茶の1杯』でも差し上げては如何」と声をお掛けする。
「そうですね、すぐお出しします」と心地よい返事有。何しろ入浴したところなので、30分は掛りますのでごゆっくりとお待ちになって下さい」と伝えていた。 親族さんも「笑顔」で「ありがとう、いただきます。」との挨拶をしていた。

【施設の対応】

来客者に対してお茶を出すよう心掛けて、継続しているように思われます。 

【相談員の感想】

その事をきっかけに相談を受けた利用者様は転所なされ、以後お話を聞けなかったですが、また同じような相談が来ないよう、事業所・相談員共々、気配りしたいと思います。

解説・ポイント

面会に見えた方への対応とともに、本人からの以前の訴えをあわせて判断された事例であるが、つながっている問題と見ることもできるし、別の問題としても見ることができるので、まず、予断を持って判断しないことに留意することが大切である。

来客に対してお茶を出すなどは、家庭生活の場面だけでなく、会社などにおいてもよくみられる習慣のひとつであるが、施設が行わなければならないことと考えるのは早計である。もちろん、お互いに気持ちよく接することができるようにということは必要である。そのうえで、この事例の場面から考えて、入所している利用者の身元引き受けなどのことがあると想起される。介護相談員の報告では「遠いところからわざわざ」ということであるが、入所の経緯などが背景にあるならば、それぞれの思いが交差するし、受け止め方も異なってくる。

施設によっては、応接室や相談室で面会できるようにしているところもあるし、自由にお茶など入れられる談話室を設置しているところもあるし、居室や生活の場で面会などできるようにしているところもある。それは、本人と訪問者の関係や面会頻度、何よりも本人の意思などいろいろな要素があるからで、どの対応が良いとは一概に言えないこともある。訪問する家族、親族はお客なのかという見方もあるだろう。本人と家族や親族との今までの関係などは、第三者ではうかがい知れない問題もあるので、ある場面を切り取って判断することに注意を要する。

また、「差別する・・・」ということについては、具体的にどのような対応を指していわれたのかが不明であるので判断しづらいが、施設入所そのものについて本人の不満があることが考えられる。自分自身が納得のいかない入所であれば、施設の対応にことごとく拒否的になることもある。施設はそのことに留意して、本人が充実した施設生活をおくれるように生活の工夫や日々の生活の過ごし方などを検討するなどが必要であろう。