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介護サービス相談・地域づくり連絡会

施設に伝えて

施設に伝えて
61歳 女性 / 認知症 無 / 要介護度 4

【相談内容】

3か月にわたり陰臀部の痛みの訴えが続き、涙を流して施設の人に言ってください。との言葉にならない言葉で必死に語りかけられました。

【相談員の対応】

一度ならず2度3度と段々ひどくなっていく様子で真剣に傾聴。

必ず伝えることを約束し少しでも安心して下さるように伝えさせて頂いた。

【施設の対応】

最初のうちは、圧を入れるよう時間を見ながら座らせ直しをしているし、間ではベッドにも横にしてあげているとの事でしたが、二度三度とお伝えするものですから、あの方はいつもあんなに言われるんですけど、一度よく見てみますから。との言葉を頂く。

【改善状況】

翌月訪問すると、相談者に笑顔がみられました。施設側からの状況報告は頂けませんでしたが、相談者の話では褥瘡になっていたとの事。今薬を塗ってもらっていて、痛みが取れたのでうれしいと言って下さっています。

【相談員の感想】

相談される方のお話は何事も心傾け、真剣に聞いてさしあげることの大切さ、それと共に、小さなことであっても施設側に伝える事、改善していただけるまで繰り返し伝え続ける事も大切だと思いました。訴えるすべの無い方たちのために、苦しみ・痛み等が少しでも軽減される橋渡しができればと思いました。

解説・ポイント

施設の種類によっては、根幹に関わる問題であることを認識した対応が求められる事例である。寝たきり状態の人に対しては褥瘡がないかをチェックすることはどの施設でも行われているが、寝たきり状態ではない人に対しては見落としがちになることがあることを気をつける必要がある。全員離床を掲げていても、実際は長時間車いすに座らせっぱなしのこともあり、そのような場合にも座面や背あてがあたる部分に、褥瘡ができることもあるので気をつけるのが介護の基本である。本人が自分で着替えなどを行っている場合は、入浴時などに、職員が一人ひとりの身体状況を含めて健康状態を確認することも基本である。

この施設の場合、少なくとも2つの点で適切でない対応をしている。1点目は、前述したことであるが、職員が日常的な健康確認をしていないということである。2点目は、本人からの訴えを放置してきていることである。褥瘡に限らず、高齢者の健康に関して僅かな期間でも放置していると、心身に重大な影響が出ることを考えるならば、3か月も放置してきたことは、施設としての職員管理も含めて極めて遺憾なことである。場合によっては、虐待の可能性も視野に入れなければならないことになりかねない。

介護相談員が取りあげたことで改善が見られたことはよいが、施設からの報告がないことを考えると、この事例の他にも問題が潜んでいる可能性も否定できないだろう。