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介護サービス相談・地域づくり連絡会

家に帰りたい

家に帰りたい
特別養護老人ホーム / 認知症 無 / 78歳 女性

【相談内容】

施設へ来て2年になるが一度も家に帰ってないので帰りたい。

施設の行事等で花見等行くが楽しくない。

娘は時々来てくれる。

【相談員の対応】

娘さんが時々来られているとの事なのですが、時には一緒に出掛けたら少しは気が晴れるのではないでしょうかとお話しする。

【施設の対応】

この方は、精神的に、少し病んでいて、娘さんが来られたら死にたい。と言うので娘さんも精神的に弱ってしまい、「来なければよかった」と言うので、一緒に外出は無理だと思います。

個人的に外出する等、対応を考えてみます。

【改善状況】

(相談員が午後訪問すると)

今日は、午前中車で○○まで連れて行ってきました。海の所まで行って、とっても気持ちがよかったです。

【相談員の感想】

相談者の気持ちを酌み、事業所が対応して下さり、改善されて良かったと思う。

解説・ポイント

一時帰宅、外出は、施設の方針と家族の状況に大きく左右されるできごとである。家族が面会にきて外出した場合、家族がかえって不安になることも多く、家族にとっても施設にとっても躊躇うきっかけになったりすることもある。

この事例の場合、利用者本人がなぜ「死にたい」など娘に言うのかということを、施設がきちんと考えることがまず第一に必要である。「帰宅願望」と安易に片付けることや他のことで気を紛らわせばよいというような発想では利用者本人と家族の気持ちを理解できず、家族にとって、かえって心苦しい状況になっていくことも考えられる。娘が自分で選択した母親の施設入所に対して「罪悪感」を持ってしまわないように、施設が支えていくことを考えることも大切である。施設が娘に対して配慮するということは、施設が代わりに行えばいいと考えるのではなく、例えば、施設が利用者本人と家族とともに外出することで、少しでも両者のつながりになるような方法を考えることも一つである。

利用者本人と家族が施設入所によって関係が薄くなったりするのではなく、今までとは異なった形であっても、利用者本人も家族も現在のそれぞれの生活を肯定的に見ることができるように働きかけがあると、それぞれの施設生活の受け止め方も変わってくるだろう。