安全管理が心配
【相談内容】
デイサービスの入浴時間中は、ホールに職員が少なく、認知症の人が外に出てしまう。利用者の一人として気が休まらず、外へ出てしまった人を連れ戻しに行くことがある。利用者の安全管理は大丈夫なのか。
【相談員の対応】
現状をよく聞いて、職員に伝え、回答をもらう
【サービス提供事業者の対応】
認知症者に対する安全管理マニュアルを作成し、対応している。外に出てしまう人については、特性をつかみ見守っている。ドアをロックするといった閉鎖的なことはしたくないが、ドアの電源を切るときもある。利用者が不安にならないように努力したい。
【サービス提供事業者のその後の改善状況】
常に徘徊する人にはセンサーのついたチョッキを着てもらうようにした。通路や施設の出入口にもセンサーをつけ、事務所でチェックできるようにした。
解説・ポイント
利用者の安全対策は、身体拘束と関連づけられて問題となることが多い。とくに認知症のある利用者の安全対策は、行動制限となることが依然として多い。ほかの利用者の行動への対応の不安は、自分だったらと本人の不安につながることもある。また、家族にとっても気にかかる問題だ。
この事例のように、サービス事業者が利用者の行動制限をしないように対応するための努力をしている場合は、相談員が事業者に伝えた内容は、すでに把握していることも推察できる。しかし、相談員が利用者の不安を伝えることは、サービスの見直しにつながるので重要だ。なお、現状を十分に聞くことは、不安となった安全管理などの具体的な背景を把握するうえで大切なことである。