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介護サービス相談・地域づくり連絡会

家へ帰るから扉をあけてほしい

家へ帰るから扉をあけてほしい

【相談内容】

非常口の扉を開けてほしい。家へ帰る。

【相談員の対応】

利用者は車いすを利用しており、外へ出ると、すぐ近くが自宅だと思っている。「ここは2階なので危ない。あとで、家族に迎えに来てもらいましょう」と説得する。職員に相談した。

【施設の対応】

家族との約束もある。迎えに来てもらうなどと簡単にいってもらっては困る。でも、認知症があるから、すぐ忘れるから問題ないけど。

解説・ポイント

利用者に安心してもらえるようにといったひと言が、職員の利用者への対応に支障が生じることがある。

「家へ帰りたい」という利用者に、サービス事業者はどのように対応しているのか。認知症がある利用者だから、いつも同じことを繰り返すという予断と偏見で、その場限りの対応をしていたら、かえって問題を広げたり、混迷を深めたりすることになる。

しかし、この利用者にはこのような対応を、こちらの利用者にはこのような対応をと、しっかり考えている事業者もあるので、相談員も配慮が必要だ。

施設に入所している利用者にとって、施設を「生活の場」として受けとめるのは簡単なことではない。「ここはいいところだ」と思うようにしている利用者もいる。

一方、現実を受けとめられないからこそ、「帰りたい」という思いが募り、直接行動をとる利用者もいる。

相談員の一存ではできないことを安易に言ったり、約束したりすることは、慎まなければならない。