おなかが空いてどうしようもない
男性65歳 認知症状あり 特養(入所して2年)
【相談内容】
食事の量が少なくて、空腹でどうしようもない。
【相談員の対応】
食事を観察すると、嚥下困難もマヒもなく、咀嚼にも問題ないのに、すりつぶし食だった。食事内容が適切であるかを確認してもらう。
【施設の対応】
入所時の身体状況の対応でミキサー食指定だったが、現在は普通食で大丈夫であることがわかった。詫びるとともに、普通食にした。
解説・ポイント
個別サービスは、一人ひとりの「現状」と「生活目標」によって内容や方法が検討される。しかし、漫然とサービスを提供していると、利用者の現状を把握し損ねていたりする。
この事例では、相談員が認知症のある人への対応を先入観ではなく、観察によって確認しながらすすめたことが、よい結果をもたらした。相談員は問題を考える際、施設が利用者の現状をどのようにみているのかを確認し、次の対応を練るべきである。これは、実行するのには細かな配慮を必要とする。施設が利用者をどのようにみているのか、利用者がそれをどのようにみているのか、観察と確認が問題の解決の基本である。