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介護サービス相談・地域づくり連絡会

妻に「邪魔だからここに入れ」と言われた

妻に「邪魔だからここに入れ」と言われた
80歳代 男性、要介護度4

【相談内容】

毎日、部屋のなかばかりで、家に帰りたい。家では、妻が「邪魔だから(施設に)行け」と言うし、誰一人自分の面倒をみてくれない。一度、市や県の人や施設のいちばん偉い人と話し合いの場を設けてほしい。

【相談員の対応】

「家族がここに入りなさいと言ってもAさんは納得できないんですね?」と声をかけたり、いま、とくに都合の悪いことはないかなどと聞きながら、相談者の話を聞く。その間もコールボタンを押して介護士を呼び出す。

【施設の対応】

ささいなことでも次から次へとコールボタンを押すので、施設としても困っている。自分でできることでも介護士を呼ぶので対応しきれない。「むずかしい人です」とのこと。

【改善状況】

入所して間もないので目立った改善はないが、介護士がリハビリのためによかれと思って言ったりしたりすることも、ことごとく反対に受け取られるようだ。

【相談員の感想】

元気なころから自己中心的な考え方の人らしく、家族からも相手にされていなかった様子との話を聞いた。受けれいた施設のほうも大変だなと思った。(?)

解説・ポイント

(?)
相談員は、こうした施設や家族の側に立った視点からものを見るのではなく、利用者の立場に立った視点から問題をとらえる必要がある。
家族にとって扱いにくい人だからこそ施設に入所するという手段をとったのだと想像できるが、問題は、本人がなぜコールボタンを何度も押すのか、素直にものごとを受け止められないかといった、行動や言動に対して対応を考える施設の役割を、施設側が理解していないことである。この例は本来の施設のあり方からすれば大きな問題といわざるをえない。
相談員としては、施設側の苦労も認めつつ、まず、家庭に居場所のない利用者の寂しさ、施設に入所せざるをえない環境を理解し、じっくり話を聞くことが大切である。
そして、施設と連携しながら、利用者の施設での生活を支援していく姿勢をもつべきであろう。
実際に、相談員が悩みや苦情をきちんと聴くことによって、自己中心的な利用者の気持ちが安定し、他人の話に耳を傾けるようになったという事例もある。