転んで頭とからだを打った。病院に行きたい
80歳代 女性、要介護度3、特養
【相談内容】
夜、トイレに行こうとしたとき、部屋で転んで頭とからだを打った。痛みがあるので病院に連れて行ってほしい。
【相談員の対応】
施設に報告書で数回伝え、主任にも口頭で伝えた。
【施設の対応】
相談を受けたのが9月下旬だったが、ようやく12月に病院で検査を受けることになった。
【改善状況】
とくに頭やからだに異常はみられなかったとのことで、少し安心した。痛みについては、湿布薬をはったり、薬をぬったりして対応した。
【相談員の感想】
施設と利用者の関係がうまくいってない場合、利用者の要望はなかなか聞き入れてもらえないことを実感した。
解説・ポイント
この事例では、施設側の対応について、次の3つの場合が考えられる。
1.本人が施設に対して「病院に行きたい」という要望をきちんと伝えていなかった(施設は知らなかった)。
2.本人はきちんと伝えたが、施設の嘱託医や看護師などが診たところ、外傷等がなかったので、そのままにしておいた
3.本人はきちんと伝えたが、施設が「いつものことだ」という感じでおざなりな対応をしていた。
介護サービス相談員は施設に利用者の訴えをただ伝えるのではなく、以上のどれにあてはまるのかについて、事実関係を確認する必要がある。つまり、利用者本人から訴えがあったのかどうか。あったとすれば、それに施設はどう対応したのか。これらの点をきちんと確認してから、対処することが大切である。