床がすべりやすい
【相談内容】
廊下の電気が暗いうえに、床がすべりやすく危険。
【相談員の対応】
利用者には相談内容を伝えることを約束し、帰りがけに施設側に伝えた。その結果、床がすべりやすいのではなく、その利用者の足が弱くなっているのが原因とわかる。
【施設の対応】
廊下の途中にあった仕切りを取り払い、光が入るようにした。また、ついたての横にあった使われていない車いすも撤去されたため、広々として明るくなった。
【改善状況】
介護サービス相談員からの報告であると生活相談員が施設長に伝えたことにより、1カ月以内に改善された。
【相談員の感想】
この施設とは、利用者から相談があると迷わず伝えられるよい関係ができている。
解説・ポイント
この事例では、施設側の対応が非常によかったといえる。介護サービス相談員から報告を受けたあと、さまざまな問題点を検討し、予防的な対応も含めて対策を講じている点が高く評価できる。経費節減の折から、廊下が薄暗い施設も多いなか、仕切りを取り払って光が入るようにし、障害物を撤去して広々とした環境をつくるなどの配慮はすばらしい。
「床がすべりやすい」という利用者の訴えは少なくない。この事例では、床はとくに問題がなかったようだが、すべりやすい(あるいは転びやすい)のは床そのものの問題だけでなく、履きものの問題もある。
例えば、すべりにくいようにとの配慮からゴム底の靴にすると、高齢者にはかえって危険な場合がある。つまり足腰が弱っている高齢者にはブレーキがききすぎて、つんのめってしまうのである。したがって、スムースに足がはこべたり、ブレーキがきいたり、その人の身体状況に合った履きものを選ぶことが大切だ(ただし、リハビリの訓練では、足を上げたりする時のからだの安定を図るため、すべりにくい靴のほうがよい場合もある)。