他の利用者から押されて骨折した
60歳代 女性
【相談内容】
他の利用者から押されて骨折した(2回)。
【相談員の対応】
最初は「ベッドから落ちてけがをした」と言っていたが、あとから「以前、男の人から押されて骨折したらしい」と言う。原因に「いじめ」があると感じる。
【施設の対応】
その話はきいているが、現場を見た人がなく、聞くたびに話の内容が変わる。 認知症があるので、自分で転倒したのではないか。
【事務局の対応】
相談員の連絡会議でも「いじめ」の問題がありそうとのこと。次回から2グループでしっかり観察していくことになった。
【相談員の感想】
施設の報告書では「認知症がある」とされ、(?) いじめの問題を隠しているような気がする。
解説・ポイント
まず、施設が「認知症があるので、自分で転倒したのではないか」という見方をすることは適切ではない。いじめがあるにせよ、ないにせよ、その事実を確認しないまま、認知症のせいにすることは問題である。
(?)
その一方で、相談員が「いじめの問題を隠しているような気がする」と感想を述べているが、これも実態としてきちんと把握できていないのであるから、適切とは思えない。
今回の相談だけでなく、いじめの存在をにおわせる共通した状況を把握したうえで、冷静に事実確認をすることが大切である。その意味で、「次回から2グループでしっかり観察していくこと」は、この段階でまず「なすべきこと」として評価できる。