トイレの横に傾斜がある
60歳代男性/特養(入所5年)
【相談内容】
入所当時、トイレの床に傾斜があり、車いすが動いてしまい、壁近くの水道管に激突し、ひざを傷めた。現在も傾斜があるままなので、ほかの人もけがをする危険性がある。
【相談員の対応】
現場を確認してから、施設長に連絡。数回、相談が続いたため、事務局に報告。
【事務局の対応】
施設に出向き、実際にトイレ内に車いすに乗って危険性を体験した。
【施設の対応】
当時、車いすの利用者への配慮として、トイレ入口付近の段差を解消する工事を実施。ただ、排水口があるため、床に傾斜をつけてあり、現実的に傾斜をなくすことは困難。
【改善状況】
壁際の水道管にクッションをつけ、利用者の不安を緩和。
解説・ポイント
相談員、施設、事務局の連携がうまく機能した典型的な事例である。
まず、「実際にトイレ内で車いすに乗って危険性を体験した」という事務局の素晴らしい対応が目立っている。また、施設の対応も、“できない理由”を探すのではなく、“どうしたらできるか”を考えて工夫につなげていくことの大切さを示している。