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介護サービス相談・地域づくり連絡会

細いひもで身体を椅子にしばりつけている

細いひもで身体を椅子にしばりつけている
グループホーム / 85歳女性 / 要介護度4 / 認知症あり / 利用期間5年 / 相談員が発見

【相談内容】

細いひもで身体をイスにしばりつけている。

【相談員の対応】

たとえ、イスから立ち上がって危険な場合でも、ひもを使用するのではなく、職員の目で常に注視するように話す。

【施設の対応】

拘束の認識があり、まず、拘束時間を減らすことを確約。

【事務局の対応】

観察を続けて改善されないようなら指導すると話す。

【改善状況】

その後の訪問時には拘束がなくなっている。

【相談員の感想】

職員や施設長さんに拘束はダメという認識があるので極力拘束はしない様に努力している感じ。

解説・ポイント

身体拘束はしてはいけないと分かっていても、職員体制のために個別対応がなかなかできないということで拘束してしまうので、どのようにすればよいかという話しは、少人数職場から聞くことがある。

しかし、少人数職場だからといって身体拘束はやむを得ないとは認められない。事務局は、観察を続けて改善されないようなら指導するということだが、自分たちはどのようにすれば安易に身体拘束に流れずに済むかという施設職員の思いに応える指導、助言が大切である。

この事例の場合、椅子から(不用意に)立ち上がったりして危険ということだが、何が危険なのかを改めて考えることも必要かも知れない。立つ行為そのものが危険なのではなく、転倒することが想定されるからなのか、それとも、職員が対応できないうちに外出したりして事故等の危険が想定されるのだろうか。職員には一見すると理解できない行動であっても、利用者にとっては意味ある行動であったり、目的行動であったりもするので、その行動の背景やきっかけなどについても考えることも大切である。

もちろん、具体的な行動への対処も必要になるので、職員の目の前や側などで行動に目を向けることができるような位置関係をとることなども、具体的な対応の一つである。

介護相談員は施設が何を危険と見ているのか、利用者の行動の背景などを考えられるような提案などをすることも考えられるが、利用者への対応について他の施設との交流や、行政などによる施設職員研修の機会を設けるように事務局を通して提案することもあるのではないだろうか。