集団生活になじめずさびしい
80歳代女性、半身麻痺、老健
【相談内容】
集団生活になじめず、お茶の時間などもほとんど自室ですごしている。
施設からは放っておかれ、話をすることもなく寂しい。
【相談員の対応】
涙ぐんで孤独感を訴えるので、時間をかけてじっくり傾聴する。共感的に受けとめるなかで、詩吟など、本人の趣味や意欲のもてるものを引き出し、行事やクラブ活動の情報があったら参加したい意思を確認した。
相談者への声かけや情報提供をしてもらえるよう施設に頼んでみると伝える。
【施設の対応】
まめに声かけをしてクラブ活動や喫茶コーナーに誘ったり、施設での行事などの情報提供に努めた。
【改善状況】
お茶の時間などはホールですごすようになり、他の利用者と軽作業や談話を楽しむようになった。喫茶コーナーやクラブ活動にも顔を出しているそうで、笑顔で「大丈夫です。ありがとう」と礼を言われた。
解説・ポイント
相談員、施設の対応の基本となる典型的な事例である。
相談員がかかわることによって、施設は利用者がどの程度、施設になじめていないのかを具体的に把握することができ、より的確な対応が可能になったと考えられる。
その結果、問題が起こるのを未然に防止することができたといえる。
相談員と施設との連携が効果的に機能しているのは、日ごろから相談員と施設の関係が良好に保たれているからだろう。