グループホームに溶け込めない男性利用者が気がかり
【相談内容】
【介護相談員の観察】
グループホーム利用半年。周囲の環境に溶け込めずひとりでじっとしている。職員の声かけも稀で放っておかれているようにみえる。現状のままだと認知症の進行が心配。
脳血管性認知症で会話が不便でときどき文字盤を使用。挨拶をすると身体と目で挨拶は返す。麻痺があるが、杖使用でなんとか自力歩行は可能。
【相談員の対応】
グループホーム管理者に現状を伝え、日頃の声かけを頻回にし、行事等の情報をそれとなく伝えていただけるように頼む。
【施設の対応】
管理者いわく、「利用者男性のことはいつも気にかけて、声かけもちゃんとしています」とのこと。
【改善状況】
その後、スタッフの人も気にかけてくれてはいるようだが、やはりひとりでいることが多い。
【相談員の感想】
脳血管性認知症では、言葉の表出が悪くても内面の人格は保たれていることが多いし、また、治療やリハビリで改善される可能性があるので、なんとかリハビリに取り組めるようにならないか、と思う。
解説・ポイント
相談員もスタッフも、おたがい利用者のことを気にかけているが、どうコミュニケーションをとっていいか手をこまねいている様子がうかがえる。
そのなかで相談員は、脳血管認知症・文字盤使用・杖で自力歩行可・身体と目で挨拶は返してくれる…等といった利用者の状況をしっかり観察している。
相談員が関わることで、グループホームや施設等は利用者がどの程度なじめないのか、第三者の視点で把握確認することができ、より的確な対応をさぐることができる。
一般的に男性利用者はコミュニケーションに時間がかかることが多い。この利用者にはコミュニケーションの意思も感じられる。結果をあせらず、コミュニケーションの取りやすい雰囲気づくりを不断に続け、治療・リハビリ面で本人の意思をできるだけ早く確認し、サービス改善につなげる必要があるだろう。