手紙が開封される
80歳代女性/特養
【相談内容】
子どもや親せきからの手紙が開封された状態で渡される。
【相談員の対応】
利用者に届いた荷物、郵便物の取り扱いについて、施設に確認した。
【施設の対応】
封書は利用者の身体状況により、身内の了解を得て開封することもある。ただ、相談者はその対象ではないので、なぜ開封したのか調べたい。
【改善状況】
その後、開封された状態で渡されることはなくなった。
【相談員の感想】
手紙が開封されてイヤな思いをし、プライバシーを侵害されている状況のなかで、よく相談してくれたと思う。
解説・ポイント
やむをえない事情により、本人の了解を得て、目の前で封書を開封することはありえるが、「利用者の身体状況により、身内の了解を得て開封する」ことは、プライバシーの侵害以外のなにものでもない。
このような行為は、おそらく相談者一人に限ったことではなく、この施設では日常茶飯事のように行われていると思われる。
この施設の体質の問題であり、介護のあり方以前に基本的人権にかかわる問題である。
相談員は、「手紙の開封」以外の基本的人権にかかわるような行為が行われていないか、観察をする必要もある。